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Webアクセシビリティ

◆Webアクセシビリティとは

アクセシビリティという単語の意味について「IT用語辞典e-Words」には「情報やサービス、ソフトウェアなどが、どの程度広汎な人に利用可能であるかをあらわす語。特に、高齢者や障害者などハンディを持つ人にとって、どの程度利用しやすいかという意味で使われることが多い。」と書かれています。

goo」の辞書検索によりますと、「ウェブアクセシビリティー 障害の有無や年齢などの条件に関係なく,だれもが同じようにインターネット上で提供される情報を利用できること。また,ウェブ-ページに対するアクセスと利用のしやすさの度合いをいう(三省堂提供「デイリー 新語辞典」より)」と書かれています。

いまやインターネットの利用者はけっして若い健常者ばかりではありません。
身体障害を持っておられる方、高齢者もインターネットを利用されています。
このようなハンディキャップを持っておられる方にも、健常者と同様にWebサイトを利用できるようにする配慮が求められます。

◆Webアクセシビリティの現状

ウェブコンテンツ、簡単に言えばホームページの分野において、アクセシビリティに対する取り組みは、特に日本においては非常に遅れていると言わざるを得ません。

簡単な例を挙げてみましょう。
現在ブラウザのシェアの95%以上を持つInternet Explorerで、「表示」メニューの「文字のサイズ」コマンドで文字サイズを変更できないホームページは非常に多いのです。
しかも、個人のホームページより、制作のプロが作ったと思われる大企業などの商用ページに多く見られます。
ここで、例を挙げるわけにはいきませんが、ご存じの有名サイトをいくつかテストしてみてください。
きっと、文字サイズが変わらないサイトが見つかるはずです。

視覚障害を持つ方、高齢者の方の中には、小さい文字が見にくく、この機能で文字のサイズを大きくしてみておられる方が多くおられます。
この方々にとっては、文字サイズを変更できないことは大きな障害となります。

なぜそのようなホームページが多く存在するかと言えば、Webデザイナが自分の描いたページデザインが、崩れるのを嫌うからです。
あるいは、ウェブサイトのオーナーが嫌うのかもしれません。
多くの人々に見てもらうことより、自分の描いたデザインを優先していると言えるでしょう。
高齢者・障害者等への配慮があれば、ブラウザの文字サイズ変更機能を阻害しないデザインがなされるべきなのです。
文字サイズに限らず、ウェブコンテンツから情報を得るのに障害となる要素は数多くあります。

JIS企画

ウェブコンテンツ企画・制作の分野において、2004年6月20日にJIS規格が制定されました。
正式には、規格番号 JISX8341-3「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス−第3部:ウェブコンテンツ」というものです。
簡単に言えば、高齢者・障害者・初心者等を含めてあらゆる人々にとって、ウェブコンテンツを閲覧する時に障害とならないウェブコンテンツの企画・制作に関する指針が規格としてようやく制定されたのです。

高齢者・障害者等への配慮の指針がJISで具体的に規格として制定されたことは、高く評価出来ると共に、もっと早く制定されるべきではなかったかと考えます。

ウェブアクセシビリティ確保の為に配慮すべき事項が、JISで規定されたことにより、今後は配慮しているか、配慮していないかという区分により、個々のサイトが見られるようになるでしょう。
今後の動きとして、国、地方公共団体のサイトは間違いなくこの既定に沿った企画・制作に移っていくものと思われます。

一般企業、個人事業のサイトにおいても、特に公共性の高いWebサイトはこの規定に沿って行くものと思われます。
そして、商用サイトや公共性の高いサイトにおいては、アクセシビリティへの配慮は、サイト評価基準の大きなウエイトを占めるようになるのは間違いないと考えています。

◆Webアクセシビリティへの対策

障害を持っておられる方は健常者とは異なる環境で、Webサイトを閲覧しておられる場合があります。
視覚障害があり、音声ブラウザを使っておられる方もおられます。
マウスがうまく使えないために、全てをキーボードで操作しておられる方もおられます。
聴覚障害者の方は、音声による案内を聞くことが出来ません。
健常者の方の中にも、表示を早くするために、テキストブラウザを使っておられる方もおられます。
表示モニタのサイズや解像度も、様々です。
このように、ウェブコンテンツを閲覧しておられる方の、環境は様々なのです。

このような方が、一般健常者が通常閲覧されるのと同等の情報を得られるよう、企画・制作に於いて次のように様々な対策をとる必要があります。

文字サイズを自由に変更可能にする。

Internet Explorer等のWebブラウザには、文字のサイズを変更できる機能があります。
視覚障害者、高齢者は文字サイズを大きくして見たいでしょう。
しかし、文字サイズを固定してしまうとこの機能が使用できなくなります。
これでは、文字が小さくて読みにくいから、サイズを大きくしようとしても出来なくなります。

判別しやすい色を使う

次の文字を見比べて下さい。

楽しいホームページ
楽しいホームページ

文字の色は同じでも、右の文字は背景と文字の色の区別がつきにくい事がおわかりでしょう。

このように、判別しにくい色の組み合わせを使うと、特に弱視者・色弱者・老眼の方などには非常に読みずらいものとなります。

マウスを使わなくても操作可能にする

腕などに障害のある方のなかにはマウスを使えないために、キーボードのみでパソコン操作をされておられる方がおられます。
キーボード操作のみで、マウスの「選択」「クリック」と同様の操作を可能にするページにします。

[ここをクリック(T)]

上の「ここをクリック」の文字をクリックすると、ページは変わります。
クリックの代わりにキーボードで、[Alt + t]と押して[Enter]キーを押して下さい。(Netscapeでは[Alt + t]のみ)
同様にページは変わります。

正しいHTMLコードを書く

視覚障害者の方には、音声ブラウザ(ホームページを読み上げるソフト)・点字ブラウザなどを使っておられる方がおられます。
これらのブラウザは、HTML等の情報ファイルを正しい文法で書き、正しい使い方をしないと正確に反応してくれない場合があります。
そのためには

  • レイアウトのために、テーブルを使用するなど規則外の使い方をすることなく、見出し、段落、リストなど文書構造を正しくブラウザが理解できるように、正しいコードを書いていきます。
  • 文字サイズ、文字色、配置、背景色等装飾的部分はHTMLに書き込まずCSSを使用します。
  • 画像には音声ブラウザが読めるように、説明を付ける。

などが必要です。

表現を画像のみに頼らない

音声ブラウザ、点字ブラウザ、テキストブラウザなどは画像を表現する事が出来ません。
文字を画像にするなど、画像のみによる表現を避けます。
画像による表現に於いては、適切な文字による説明を付けます。

ここに挙げた例はアクセシビリティ向上対策の一部です。
サイトの内容、デザインなどにより様々な対策が必要です。

長寿社会となり、今後高齢化は益々進んでゆきます。
そして、情報伝達手段としての、ウェブコンテンツの占める役割は益々大きくなって行きます。
このような状況の中で、誰もが情報アクセシビリティを確保するための、配慮が求められるのは当然です。